広報資料
    2000年9月
  ― 2000年度 第1回『実用日本語 語彙力検定』結果速報 ―
  カタカナ語には強いが、漢字の熟語は苦手?
  中学生の「対義語・類義語」に関するボキャブラリの低さが如実に
     
   株式会社旺文社が設立した生涯学習検定センター(東京都新宿区横寺町)は、2000年7月に実施した日本語の語彙力を客観的に測定・評価する『実用日本語 語彙力検定』の解答を集計し、検定結果速報としてまとめました。
   第1回『実用日本語 語彙力検定』の受検申込者数は9,064人(5級 2,703人、4級 5,621人、3級 740人)で主に12歳から15歳の中学生が受検しました。各級とも 四肢択一のマークシート形式90問の出題で、おおむね正答率70%以上が合格ラインとなっています。各級の合格率は、3級24.8%、4級63.0%、5級68.0%でした。
     
  <出題系統別にみる主な傾向>
  (1)カタカナ語・外来語に関して
     「コンディション」正答率91.4%、「リスク」正答率77.3%など「カタカナ語・外来語」に関する出題は、予想以上に高い正答率でした。比較的最近使われはじめた言葉にもかかわらず、テレビなどを通じ、普段の生活で自然と耳にし使用しているせいか、よく理解されていました。    
     それに対し、昔から使用されてきた「和語」のなかには理解が浅いものが見られ、「ほとぼり」は正答率54.5%にとどまっています。
   
  (2)熟語の意味(対義語・類義語など)に関して
     書き言葉でよく使われる固い表現は苦手なようです。「疎遠⇔親密」正答率32.7%、「既定⇔未定」正答率33.3%と、見出し語句の反対の意味を持つ語句を選択する「対義語」や、近い意味を持つ語句を選択する「切望⇒熱望」正答率9.1%、「着実⇒地道」正答率50.0%などの「類義語」に関する出題は低い正答率でした。これらは語句の意味を正確に理解していないと正解できない出題であり、語彙力の低さを示す顕著な例であるといえます。また、「対義語・類義語」の正答率が高かった受検者は、総得点も高く、総合的な語彙力に長けているということがデータから読み取れます。
   
  (3)漢字(読み・書き)に関して
     文中の漢字の読みがなを選ぶ問題と文中のひらがなに合う漢字を選ぶ問題は、全級平均して正答率71.4%と比較的よい結果でした。両方とも単純な出題形式で漢字の知識を問うもので、このような漢字の読み・書きは、学習の頻度が高いことが理由として考えられます。
     生涯学習検定委員会委員で東京学芸大学教授の宮腰賢氏は、「小学校で習う漢字の問題はよくできている。ところが『上位をしめる』、の『しめる』に『占』をあてられたのが55.4%など、中学校での新出漢字が身についていないことが明らかになった」と指摘しています。さらに熟語の完成問題の「設備□□(投資)」正答率44.0%、「世間□(体)」正答率42.7%の低さ、「性急に事を運ぶ」の「性急」が読めたのは33.7%に過ぎなかったことなどを挙げ、「仲間うちのことばの生活だけでなく、新聞や本を読み、大人の会話にも耳を傾けるなどの社会常識を養う必要があるのでは」とコメントしています。
     
     
    実用日本語 語彙力検定』が測定・評価の対象としている語彙力は、教科としての国語科にとどまらず、あらゆる学習活動やコミュニケーションに不可欠な重要な力です。
     最近では、文相の諮問機関である国語審議会が「外来語言い換え指針」を提案し、また、文化庁の「国語に関する世論調査」による「○○○ みたいな…」、「わたし的には…」のような「ぼかし言葉」を20歳代の半数が使用しているという調査結果の発表が話題を呼ぶなど、日本語への関心はますます高くなっています。しかし従来から学校教育において、漢字の学習以外には、必ずしも発達段階に合わせた体系的な「語彙」に関しての教育は行われていませんでした。
     このような状況を踏まえ、生涯学習検定センターでは、(財)日本生涯学習総合研究所の調査・研究をもとに、日本語の語彙力を客観的に測定・評価できるよう『実用日本語 語彙力検定』を開発・実施しました。今年度は中学レベルの5級、4級、3級のみですが、来年度以降、順次上位級・下位級の拡充を予定しており、幅広い生涯学習ニーズに対応するものとして広く普及していくことを期待しています。
     
  実際の検定試験問題の一部や正答率、受検者数などの検定結果データは、生涯学習検定センターのURL http://www.kentei-center.com/でも詳しく紹介しています。
  語彙力検定を含む生涯学習三検定(計算力検定・英単語検定)の今年度第2回(12月実施)は、10月9日(月)から受付を開始します。学校や学習塾等での団体受検方式です。
  個人向けの「自宅受検制度」も開始する予定です。
  より詳しい資料、受検風景の写真、問題集、受検者の作文なども貸し出しが可能です。
     
    <本件に関する報道機関からの問い合わせ先>
     生涯学習検定センター 担当:曽根 一男
      〒162-0831 東京都新宿区横寺町55  TEL 03-3266-6760  FAX 03-3266-6762
     −広報代行 (株)プラップジャパン 担当:御園生 資己(みそのお もとき)/吉宮 拓
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