広報資料
    2001年9月25日
    〜小中学生対象の「ことばに関するアンケート」 集計結果速報〜
    小泉 純一郎首相、語彙力が豊かな有名人第一位に
―「ケータイメール」利用者の語彙力に黄色信号!?の結果も―
     
     生涯学習検定センター(東京都新宿区横寺町)では、主に小中学生を対象とした「ことばに関するアンケート」を実施し、集計結果を速報としてまとめました。これは同センターが2001年7月に実施した日本語の語彙力を客観的に測定・評価する『実用日本語 語彙力検定』(2001年度 第1回)の3級から7級までの全受検者4921名に回答を依頼し、有効回答数2786(受検者の56.6%)を集計した結果です。
  <アンケート調査結果にみる主な傾向>
  (1)語彙力が豊かな有名人について
     「語彙力が豊かだと感じる有名人はだれですか?」という設問5において、小泉純一郎総理大臣が全得票の12.4%を集め、2位に倍以上の得票率をつけて1位を獲得した。男女別・合否別・学年別でみても全て1位で、小泉人気が小中学生にまで及んでいることを示した結果といえる。また、女子を中心に支持を集めた田中真紀子外務大臣が2位を獲得し、小泉内閣人気が小中学生にまで及んでいる結果といえる。
 3位以下は、みのもんた、ウド鈴木、タモリとテレビで活躍する芸能人が連ねており、文壇からは上位30位だと夏目漱石(23位)が顔を出しただけで、あらためて小中学生の「テレビっ子」を象徴する結果となった。
  (2)メールの利用頻度について
     「メールをどれくらい利用していますか?」という設問2において、メールを「使わない」は45.1%で,すでに少数派であった。「よく使う」(29.6%)と「たまに使う」(22.5%)を合わせると、メール利用者(52.1%)が非利用者を7ポイント上回っている。
 ところが、同じメールでもメールの利用手段となると、検定合格者は「パソコン」と「携帯・PHS」がほぼ同じ割合(47.9%、49.4%)なのに対して、不合格者は、「携帯・PHS」(65.4%)が「パソコン」(28.8%)を圧倒的に上回っている。また、不合格者は、メールの利用頻度や、やりとりする人数においても合格者を上回っていることがわかった。
 「ケータイメール」では、絵文字や略語による簡略化などで、日本語というよりも「若者語」が多用されている。「ケータイメール」は大変便利なものであるが、過度の利用は、正しい日本語の習得に悪影響を及ぼす可能性が小さくないことを示唆する結果だといえる。
  (3)ことばを身につける方法について
     「ことばを身につけるために何か心がけていますか?」という設問1において、テレビのニュース・情報・教育番組を見る」(39.2%)が一番多く、「テレビ」の影響力の大きさを裏付ける形となった。しかし、以下「小説など本を読む」(38.8%)、「新聞を毎日読む」(22.9%)が続き、「小説」と「新聞」の合計(61.7%)がテレビを大きく上回っていることから、「ことばを身につける」際には、まだまだ「活字媒体」に対する期待の大きいことがうかがえる。
 これを語彙力検定の合格者と不合格者の回答で比べてみると、「本」「新聞」を合計した活字媒体の選択率は、合格者(66.2%)が不合格者(43.4%)を20ポイント以上も上回っており、実際に活字が語彙力向上に一役買っていることを表す結果となった。
 この点について、東京学芸大学名誉教授の宮腰賢先生は、「小説などを読む層に語彙力がある。言い古されているように、本を読むことが語彙力を豊かにする王道のようです」と述べている。
 また、独立行政法人国立国語研究所の主任研究員である島村直己先生は次のように見ている。「テレビが現代の子どもと切っても切り離せないものであることを、この結果は示している。『特に何もしていない』をのぞくと、次いで多いのが、読書と新聞である。ある程度以上の語彙力を獲得するためには、書きことばとの接触が不可欠である。テレビのようなメディアからでは、限られた語彙しか獲得できない。その点で、今回のアンケートの結果は、ホッと胸をなで下ろすような結果であると言ってよいだろう」
   
  <アンケート調査概要>
   
調査時期     2001年7月7日〜7月23日
調査対象 実用日本語 語彙力検定』の3級から7級までの全受検生4921名
小学5.6年生24.4%、中学生68.6%、高校生4.1%、学年無回答・その他2.8%
調査項目 1)ことばを身につける方法について
2)メールの利用頻度について
3)語彙力が豊かな有名人について
調査方法 2001年第1回『実用日本語 語彙力検定』の3級から7級の全受検生に対し、試験実施日に任意で回答を求めた
回収結果 受検者4921の内訳は、3級(420名)、4級(1170名)、5級(926名)、6級(1418名)、7級(987名)
有効回答数は2786(回答率は56.6%)。級別では3級(219名52.1%)、4級(540名46.2%)、5級(461名49.8%)、6級(908名64.0%)、7級(658名66.7%)
詳細データ アンケート詳細データはこちらをご覧下さい。

    <本件に関する報道機関からの問い合わせ先>
生涯学習検定センター  担当:曽根 一男/加藤 聡
〒162-0831 東京都新宿区横寺町55 TEL 03-3266-6760 FAX 03-3266-6762

−広報代行 (株)プラップジャパン  担当:佐藤 眞由美/三輪 一生
〒150-8343 東京都渋谷区渋谷2-12-19 東建インターナショナルビル11F
TEL 03-3486-6868 FAX 03-3486-7502
     
  ご参考資料
  実用日本語 語彙力検定について>
     生涯学習検定センター(出版社の(株)旺文社が1999年9月に検定試験の実施を目的に設立)は、日本語の語彙力を客観的に測定・評価できる『実用日本語 語彙力検定』を開発し、2000年7月から同検定を実施しています。この検定が測定・評価の対象としている語彙力は、教科としての国語科にとどまらず、あらゆる学習活動やコミュニケーションに不可欠な重要な力です。
 今年度から新たに7級と6級が加わり、小学5、6年生の受検者が増加いたしました。また、語彙力検定を、生徒の学力向上の確認と強化のため、団体で受検する教育機関が急増し、昨年は1校のみであった中学校が今回は27校に増え、その他にも聾学校2校、高校、サポート校(通信制高校の補習校)各1校が団体参加しています。
 今後も順次上位級の拡充も予定するなど、幅広い生涯学習ニーズに対応するものとして広く普及していくことを期待しています。
実際の検定試験問題の一部や正答率、受検者数などの検定結果データは、生涯学習検定センターのURL http://www.kentei-center.com/でも詳しく紹介しています。
語彙力検定を含む生涯学習三検定(計算力検定・英単語検定)の2001度第2回(通算第4回)は、12月8日からの実施で、9月25日から受付を開始します。学校や学習塾等の団体受検のほかに個人向けの「自宅受検制度」も同日受付を開始します。
より詳しい資料、受検風景の写真、問題集、受検者の作文なども貸し出しが可能です。

  <語彙力検定問題(正答率の低かった問題)と解答率>
   
7級  次の会話文の(  )に入れるのにもっともふさわしいことばはどれですか。(1)〜(4)の中から一つ選びなさい。
   ヒロシ : 「野球大会に出るメンバーが、いよいよ今日発表されるね。ぼくたち、メンバーに選ばれるかなあ。」
  ノリユキ: 「うん。選ばれるメンバーは9人だけど、1人は決まっているようなものだからね。」
  ヒロシ : 「そうだね。ヒデキの実力は(  )いるから、選ばれるのはまちがいないよね。」
  ノリユキ: 「うん。残り8人か。ドキドキするね。」
  (1)際(きわ)立って(38.0%) (2)気遣(づか)って(1.3%) (3)行き渡(わた)って(54.9%) (4)張り合って(5.2%)
   
6級  次の意味にもっともよく当てはまることばはどれですか。(1)〜(4)の中から一つ選びなさい
  「物事を考えたり論じたりするときの立場」
(1)重点(42.9%) (2)視点(44.4%) (3)時点(8.7%) (4)地点(3.4%)
   
5級  次の語句の意味として、もっとも適当なものを(1)〜(4)の中から一つ選びなさい
  「胸が騒ぐ」
(1)悪いことが起こるのではないかと不安になる(43.7%)
(2)うれしさや感動でひどく興奮する(51.1%)
(3)あまりの悲しさに何も考えられなくなる(1.4%)
(4)いやな気分が消えて気分がすっきりする(0.9%)
   
4級  次の語句に一番近い意味を持つものを(1)〜(4)の中から一つ選びなさい
  「見解」
(1)意見(23.2%) (2)拝見(40.8%) (3)発見(20.7%) (4)一見(15.0%)
   
※斜字が正解となります
     
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